【要約】「差別化するストーリー」の描き方
第1章 なぜ、いま「コンセプト」か?
モノ余りの時代が加速され、ますます「好き・嫌い」の尺度が強まっていく
→必要なものではなく、「潜在的ニーズ」を発掘する人が必要
→ニーズを求め変わり続けることで、ロングセラーを維持していくような、「コンセプトメーカー」が必要
コンセプト=新しい価値観の提案
「情報」ではなく、情報を加工する「知恵」が競争力
競争は素材から料理法へと移った
→「安いから買う」のではなく「安くていいから買う」へ
時代は複雑になっている=創造性というクリエイティブジャンプが必要
コンセプトメーカー=革新を起こす人
第2章 いい「コンセプト」ってなんだ?
「コンセプト」とは
=時代が求める新しい価値観の提案であり、すべての活動の指針
A.企業のフィールド「現状認識する」
いま企業は、商品は、流通は、競争は、市場の環境は、何が問題か、強み弱みは…とテーマに合わせ分析し、認識する。冷静に事実を把握する。
B.時代のフィールド「時代洞察する」
時代は、世の中はどう動いているのか。人は何に興味を持ち、どう変わろうとしているのか。なぜ人は買うのか、買わないのか…人の動きを洞察し、新しい予感を生み出す。
C.閃き!「発見する」
AとBを交差させながら、現状と将来への夢やロマンとの接点を探す。イメージ、仮説を描く。
D.コンセプト「言葉化する」
新しい意味の言葉化。新しい主張を内外に伝達し活動の核とする。魅力的な言葉は人を集め、パワーを創り出す。
コンセプトが全ての活動に行き渡り、一貫性が生まれ、そして継続され、ブランドが形づくられていく
最高のコンセプト=「相手が喜ぶことで私達の喜びに繋げられるコンセプト」
1.新しい価値観があるか
人々の関心事に合って、欲求に合って、初めて価値があり、その存在を認められる
2.ホカとの差別化があるか
人との優劣を競うのではなく、人との違いを生かす
3.時代の予感があるか
新しく、面白く、変わっていきそう、と、人々の感情をどれだけ揺り動かせるか→感情的、感覚的な部分がある
4.戦略性があるか
行動中心の考え方。新しい考え方を核にし、大きなムーブメントを起こすことが理想
5.人の幸せや喜びに繋がるか
「ココロの豊かさ」をつくる
「高品質」なだけでなく、そこに人間の生き方、暮らし方の提案、付加価値がある
→「好き」を創る
6.ブランドに繋がるか
すべての企業活動が「ブランド形成要因」となる
第3章 実践。「コンセプト」のつくり方
コンセプトを決めること=新しい方向性を決めること
STEP 1 現状を分析する
・情報を集めて全体を把握し、問題の本質を掴み、イメージを描く→コンセプトメイキングの土台作り
・企業(自分)のフィールドと時代(相手)のフィールドで深堀りする→基本的な「事実の確認」を進める
STEP 2 時代を洞察する
社会や時代や人の奥底に最大のヒントが潜んでいる
・生活者の「私生活」を探るため、非合理性の80%の見えない部分に注目する
・現場に足を運び、リアルな情報を集める→アイデアは路上、現場にある
・常に上空から俯瞰する「鳥の目」と、低姿勢で細かいところまでじっくり見る「虫の目」を持つ
STEP 3 新しい価値観づくり
・クリエイティブジャンプを起こす→自分の創造性で古い習慣を破壊し、新しいイメージを描く
・集めた情報を、視点を変えて見る。情報と情報を組み合わせ、化学反応、新しい化け方をイメージしてみる
・コンセプトは、グレードをあげるのではなく、考え方を変え、仕組みをまったく新しいものにすること
基本的な価値は当たり前、モノの機能や効能だけでなく、モノを生活者の喜びや幸せにどう繋げれるか
STEP 4 言葉化する
言葉化の役割
・思想をみんなと共有化する ・すべての行動の指針となる向かう方向性を示す ・個性化を明確にする
・モチベーションを高める ・具体的な戦略の出発点となる ・企業ブランドにつなげていく
新しい概念を、言葉によって規定する。あいまいなイメージを明確化する。
いいコンセプトには
強い想い、ユニークな主張ある「発見(閃き)」と
魅力的な「キーワード」があり
周りを巻き込み、人を動かすイメージと戦略に満ちている
「コンセプト」を核に、戦略化
- 行動の伴わないコンセプトはない
コンセプトは展開(戦略・戦術)を前提に創る→1つの全体、システムを描き、その先の展開を読む先回りの思考
- 戦略は戦術に発展して、市場に姿を現す
戦略化=コンセプトを具体的なマーケティング活動に落とし込むこと
- 全体で戦う―動かす仕組みづくり
コンセプトを核にして結果を出すには1つのシステム、1つの全体論が必要
実現するためのアプローチから、どう攻めるか、戦略・戦術をプランニングに落とす、トータルの設計が必要
第4章 「賢いコンセプトメーカー」になろう
「コンセプトメーカー」は、創造的破壊者
→「革新的なコンセプトメイキングのできる人」、創造的で、新しい価値観を創り、提案し、確変を起こす人
「コンセプト」に求められる条件
・新しいか ・ホカと違うか ・変化を起こせるか ・モノやヒトが動くか→クリエイティブジャンプが必要
コンセプトメーカーの武器は「独創性」
→ニーズを先読みし、かすかな兆しを察知しウォンツを世の中に引き出す
ジャンプ力を高める〈発想のレッスン〉
LESSON 1 〈ウォッチング発想〉のすすめ
「知る(理性)」ことではなく「感じる(感性)」ことからクリエイティブ体質はうまれる
LESSON 2 「タウンウォッチング」しよう
LESSON 3 現場主義者になろう
「現場で感じ、現場で発見し、現場で創る」
LESSON 4 人間の真実を探そう
知恵の部分がコンセプト→人間への深堀りがコンセプトに繋がる
LESSON 5 アナログパワーを意識する
感性の差が差別化の差→アナログ的な視点を持つ
・顧客の幸せをどう増幅させられるか ・新しい喜びや楽しみをどう創り出せるか
・想いやりや優しさをどう織り込むか ・文化的で上質な刺激をどう組み込むか
・ホスピタリティをどう提供できるか ・暮らしの成熟化のために何ができるのか
・「不」の解消、「快」の創造にどう繋げられるか ・自らの熱い思いをどうカタチにしていけるか
・顧客の期待をどう超えられるか
LESSON 6 五感をフル回転させよう
ただのモノ知りでは課題は解決できない
LESSON 7 「頭」で考えずに、「足」で考えよう
LESSON 8 大切なことは汗をかくこと
LESSON 9 「自分流発想法」にしよう
LESSON 10 人間ウォッチングにつきる